
スペシャルインタビュー
恋が、ドラマが生まれる場所、
アスナルオリジナル漫画、
作者にインタビュー。
新しい季節、春―。出会い、別れ、再会…そして恋。
ファッションにコスメに雑貨、グルメまで。アスナルでもこの春、新たな出会いがたくさん生まれています。そんな季節にぴったりの漫画『アスナル3人物語』を描き下ろしてくれたのは、人気漫画家の山科ティナさん。一年を通して繰り広げられる男女3人の胸キュンのドラマはどのように生まれたのか、自身も買い物好きという山科さんに普段のショピングのこと胸キュン創作秘話、作品の見どころなどを伺いました。
―今回アスナルを舞台に漫画を描き下ろしていただきましたが、どうでしたか?
お話をいただいてすぐに、やりたいです!と即答させていただいて。「ネットショッピング」と「リアル店舗」というところを擬人化してキャラクターを作り上げたりと、新しい挑戦だったので新鮮でした。
私自身もともとファッションがすごく好きというのもありますし、店舗での買い物もネットショップでの買い物もどちらもするので、それを作品にするのは興味がありました。
―男女3人の恋愛という設定ですが、どんなふうにストーリーを膨らませていったんですか?
女性に読んでもらいたい、というところからイケメン男性2人の間で揺れる女の子という組み合わせにさせてもらいました。自分の願望も含めて(笑)。
あとは、20代の男女が地元に帰ってきて昔よく行っていた商業施設で偶然再会というところも、自分の記憶に残っている学生時代の思い出と重ねて考えました。もしもあの当時の思い出の場所で再会したら、こんな展開があるといいな…なんてことを妄想しながら。
―登場人物のキャラクターもそれぞれ作り込まれていますね。
「買い物」というテーマがまずあったので、主人公の香衣ちゃんは買い物大好き!という前向きな明るい印象で作っていきました。
あとは主人公の視点からストーリーに入り込みやすいように、香衣ちゃんがネットとリアルどちらにも親しみがあって、どっちの良さもわかる!揺れちゃうよね、というところも男の子2人の両極端なキャラクターに反映しています。
ECを擬人化したイッシーくんは、「EC=ネット」というイメージから効率的に物事を考える頭のキレるタイプかなと。そこから見た目はクールで、一匹狼っぽさとか、インドアでゲームをやっていそうとか、細かなところを作り込んでいます。
明名くんはその逆で、いわゆる“陽キャ”なタイプ。リアル店舗を擬人化しているので、友達もたくさんいて、きっとサークル活動とかにも積極的で、リアルなイベントや日常を楽しもうぜ!という男の子なのかなということをイメージしました。だから服装も万人受けするような爽やかなもので、ルックスや話し方も好感のもてる感じにしています。
―両極端の男性ふたりというのが、主人公の乙女心をくすぐりますね。
そうですね。第一話の冒頭、3人が再会するシーンでイッシーくん明名くんがそれぞれ自分の買い物のスタイルを語るというか、ポリシーを口にする場面があるんです。そこでの話す内容や口調、仕草ではっきりとキャラクターを印象づけたいなって。
―クールな男性と、明るく優しい男性。どちらも魅力的です!
多分「私は◯◯くん派!」と意見が分かれるところだと思うんですよね。どちらも魅力があるし、そのふたりの間で揺れ動く香衣ちゃんの気持ちは女性なら少なからず共感できるところがあると思います。
自分の中にもどちらにも惹かれる部分があって、お互いとのやりとりを妄想しながら、描きながら、人物像を作り上げていった。そんな感じです。
―“胸キュンもの”は山科さんの作品の代名詞ですよね。普段どうやってキュンとするシーンやセリフを作っているんですか?
基本的には妄想です(笑)。“キュン”はポジティブな感情なので、日常生活の中で男女限らずされて嬉しかったことを結構ヒントにしていますね。例えば、落としたハンカチを女友達が拾ってくれたら、これがもしもめちゃくちゃ憧れの先輩なら!?とか妄想したり。そうやって同じ“嬉しい”でもちょっとシチュエーションやキャラクターを変えると胸キュンになったりするんです。そういうのを妄想のつぼみって呼んでます。
あとは、周りの友人たちの恋愛話はよく聞いたりしています。自分が共感できるポイントもあれば、結構人によって好みや、どこにキュンとくるのかは違うんだなと発見があります。
そういう気づきだったり、これはいいなと思ったことをスマホにメモしています。
―日常の中で妄想のつぼみを見つける、ということですね。胸キュンには何か法則のようなものがあるんでしょうか。
どういう関係性であるかが一番大事だと思っています。その人との関係性によって嬉しさや胸キュン度は変わってきますから。同じ行動でもエピソードがその裏にあるとより萌えると言いますか。
―今回の『アスナル3人物語』でいうと、関係性は結構重要になってきますよね。
胸キュンの中で「ギャップ」は大事にしています。今回で言うと、イッシーくんのようにクールキャラの場合は、ふとした時に見せる優しい一面や甘いセリフは心を掴むと思います。逆に、明名くんのように元から優しい人の方がキュンを出しにくいかもしれません。でも、予想ができてしまう胸キュンじゃなくて、誰にでも優しい彼が自分のことだけを見ていてくれた…みたいなふとした瞬間とか。あとは優しい彼のやきもちを焼いた姿や独占欲が見えると萌えるかもしれません。
―普段の山科さんの買い物はネットショッピング派、リアル店舗派どちらでしょうか?
どちらもですね。10代の頃まではもっぱらリアルしかなかったので、直接お店へ行って買う派だったんですけど、時代の流れでECやSNSなどで展開している非店舗型のブランドを好きになってからは、ネットも利用するようになりました。
ネットって便利が優先すると思うので、これだ!という欲しいものめがけて検索したりするじゃないですか。けれど、リアル店舗だとウインドウショッピングしていると自然と情報が入ってくるので、自分が想像もしていなかったような服に出会えたりとか、試着してみて新しいファッションにチャレンジするということもできる。だから、どちらも良い点や楽しみ方があると思います。うまく使い分けられたらいいかもしれませんね。
―普段、買い物をする時はお一人ですか?
友達と行くことが多いですね。商業施設のようにいくつかブランドが入っているところなら、一通り歩いてまわりながら良さそうだな、と思うお店にふらっと入ってみたり。
逆に一人で買い物する時は、狙いを定めて争奪戦にいくと言いますか(笑)。
―“狩り”に行くようなイメージでしょうか(笑)。
はい(笑)。と言うのも、数年前から好きな推しブランドがあって。SNSで主に展開しているブランドなんですが、すごく人気で新作はたいてい売り切れてしまうので、ネットで事前に整理券を入手して、発売日に行列に並ぶということもあります。
そういう買い物熱が高い“推しブランド”目的の時はもっぱら一人で買い物に行きますね。
でもやっぱり、買い物は友達と行ったほうが楽しいです(笑)。
―飲食店はどうですか?
友達とご飯に行ったり、一人で仕事の合間にカフェに行ったりもしますね。友達と行く時は、お目当てのカフェに行って、可愛いスイーツとか店内の雰囲気を楽しむために行きます。喋って、写真撮ってですね。飲食店でもショップでもそうなんですが、私は世界観のクオリティが高いお店に惹かれるんです。内装やメニュー、店員さんの制服まで、細部まで作り込まれた世界観を見ると感動するというか、浸れるので、行ってみたい!食べてみたい!とより思いますね。
―買い物という目的だけじゃなく、非日常を味わいに行くような感覚ですね。
最近世界観に惹かれたものはありましたか?
友達のプレゼントを買いに行ったコスメショップは海外のブティックのような内装や雰囲気で素敵でした。人に贈るギフトの買い物って好きなんです。お店の世界観もそうですが、パッケージとかちょっと語れるようなコンセプトとかも。
プレゼントを買うときは絶対にリアル店舗で買います。人のために選ぶ時間も楽しいですし、店員さんとの会話から豆知識も手に入るので、自分も満たされます。
―山科さんの過去の思い出で、印象に残っている“買い物体験”はありますか?
中学生時代に地元のショッピングセンターに友達と初めてメイクをして出かけたことがありました。メイク売り場があるので、そこを目指してちょっとドキドキしながら行って…。そしたらその時たまたま気になっていた男の子のグループもそこに遊びにきていて、遭遇したんです。いつもなら平気でも、その日は初めてメイクしていたのでちょっと顔が違うなという感じで、「私、顔大丈夫かな!?」と恥ずかしくなってしまって、逃げ出した記憶があります(笑)。
何を買ったという買い物経験よりも、そういう思い出の場所での出来事とかが印象に残っていますね。今回の『アスナル3人物語』でもそうですが、何を買うかよりもそこに誰といて何をするかが後々思い出になったりすると思います。
―まさに漫画のようなエピソードですね。
最後に、『アスナル3人物語』の読者の方々へメッセージをお願いします。
香衣ちゃんを中心に、明名くんとイッシーくんそれぞれとの絡みはぜひ期待してみてください。アスナルという場所に3人が集まって、これからいろんなデートをしたり、キュンとするような物語が展開していく予定です。買い物をしてみたり、ご飯を食べに行ったり、そしてライブ会場にも足を運んでみたり。実際のアスナルを舞台にしているので、現実の場所と絡めながら見ていただけると嬉しいです。ぜひ、楽しみにしていてください!